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米トレーサビリティー法 [根知だより2015]

1月10日(土)午後

 事務所の外には1mの積雪。穏やかな日差しで雪の白さが際立ちます。今年の冬は暮れも正月もなく、よく雪が降りました。時折雨も降って、屋根雪下ろしが大変でした。若い頃は何でもなかった作業がだんだん大変になってきましたが、酒造りには抜群の環境だし、雪解けの水は農業用水になりますから、自然の恵みに感謝します。

 さて、昨年来いろいろな形で日本酒が取り上げられています。新聞、テレビ、雑誌、単行本、様々な視点から日本酒を盛り上げて頂き、ほんとうにうれしいかぎりですが、中でも原料米に注目し、米作りについてや、その産地を取り上げる記事も出始めました。もう少し時間がかかるかもしれませんが、いよいよ日本酒の世界にも「産地」を語り、米作りから酒造りまで同一地域で完結する「ドメーヌ・スタイル」の酒蔵がマーケットからその価値を認められるステージが見えてきそうです。

 日本酒のラベルをよく見て下さい。原材料表示の中に「米(国産)」、「米こうじ(国産米)」と書いてあるケースが多いと思いますが、これは「米トレーサビリティー法」に基づく表示義務です。少なくとも外国産米は使っていませんよ、という表示ですね。因みに、弊社では根知谷産米100%ですので、「米(新潟県産)」、「米こうじ(新潟県産米)」となっています。

 新潟県で日本酒を造っているのに「長野県産米」とか「兵庫県産米」という表示は地酒らしくないですね、少なくとも消費者の目線ではそうでしょう。また、ややこしいことに、例えば新潟県産米と長野県産米を併用した製品では、その使用比率を書かない場合は、「国産米」という表示になります。

 あくまでも大切なことは、原料米を「どこで」、「誰が」、「どんな栽培方法で」作り、「どんな品質評価を受けたのか」 ということを消費者に示すことができるかどうか、ということです。

 いま、マクドナルドの異物混入が報道されていますが、食材そのもののトレースがそれ以上に重要なはずです。価格の高い、安い、ではなくて、製品原材料の由来そのものの情報が開示される状況をメーカーは準備しなくてはなりません。
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