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冨山和彦ふたたび [農村だより]

 8月31日火曜日午前

 「カイシャ 維新」 冨山和彦著 朝日新聞出版 2010年8月30日 第1刷発行

 今年の4月に朝日新聞に掲載された記事についてブログに書きましたが、この著者の最新刊

 を読み終えたところです。

 結構私には難しい内容で、マジメに読んでいると脳みそに汗をかきそうになります。

 しかし、考えていることは、こんなに優秀な頭脳も、私のような山の中で米作り酒造りをしている

 人間もたいして変わりがないことに、ちょっと妙な感じがしています。

 重要なのは、直面している問題に対する解は、どこを探しても無いということでしょう。

 国家にとっては、日本固有の、企業にとっては、その企業固有の解を見出さなければならない。

 二流三流学者のように、欧米に模範やモデルを求めるのは、最低なんですね。

 我々は小さな酒蔵ですが、日本酒業界のことはよく見えています。

 中山間地の農村にいて、米作りをしていますので、稲作農業の将来もわかります。

 大きな経済社会の変化の中で、どう生き抜いていくか、その最適解を常に求めています。

 常にギリギリの時間との競争の中で、爪先立ちのような緊張感で考えています。

 著者の169ページから170ページにかけての現状認識は、私も持っています。

 (抜書き)
  残念ながら、緩やかな衰退の中で豊かなスローライフを楽しめるような状態に私たちの国

 はない。おそらくある一点を境に、今の相対的な貧困問題は、絶対的な貧困問題(本当に

 食えなくて飢える)に転化する可能性が高い。それが島国ニッポンの現実だ。私の祖父母

 もそうであったが、昭和40年代までは、貧困がゆえに、食えないがゆえに、日本人は海外

 に移民として出て行ったのである。落ちるときの方が、一度、坂道を転がり始めると速いの

 は、会社経営も国家経営も同じである。このことを肝に銘じて、国家経営に当たる人も、企

 業経営に当たる人も、そして市井に生きる私たち一人ひとりも、急激な大変化の中にある

 世界の資本主義経済の厳しい現実を生き抜いていかなくてはならない。

 (抜書き終わり)
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