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2011年は何をする [農村だより2011]

 1月4日火曜日午後

 年が変わって2011年(平成23年)の仕事始め。

  蔵内は、4日間仕込みを休みましたが、管理の担当者は入れ替わり立ち代り出勤して

 いました。私自身は、神社への初詣以外ほとんど蔵内におりましたので、普段の生活と

 何ら変わりはなかったのですが、世の中の空気は「新年」を迎えて、やっぱり「改まった」

 感じがしています。

  2011年、今年は何をするか。我々の取り組みは、平成15年から始めた自社栽培の

 完成に向けて、営農体制の拡大と充実を図ることです。

  「根知谷で生産した酒造好適米で日本酒を造る」

 このシンプルなテーマの実現に向けて歩みを進めるのみです。

  世の中に数多ある日本酒の酒蔵ですが、我々のような取り組みをする酒蔵は確実に

 増えてきています。酒造技術のみに捕らわれない、もっと大きな概念で「日本酒」を捉え

 直して、日本各地の様々な気候風土の違いを映し出す「日本酒」がこれから世に出てき

 ます。それは、とても魅力的なことです。

  世界でも稀な素晴らしい地理的条件に恵まれて、清らかで美味しい水、そして米から

 造られる「日本酒」は、極めて複雑で高度な醸造技術を駆使して、「水」の性質、「米」の

 性質、つくる人の性格まで映し出し、それらを大きく包む「テロワール」を表現しています。

  我々の米作りの取り組みも、今年は大きな節目を迎えます。100%根知谷産米での

 酒造りを達成し、更に、「自社栽培米100%達成」に向けた大きな一歩を踏み出す年にな

 ります。

  昨年2010年は、「猛暑」という記憶が刻まれた年でした。米の収穫量が平年作を下回

 り、残念ながら「根知谷産米100%での酒造り」は達成できませんでした。およそ10%の
 
 の原料米を、新潟県内から調達しました。

  本年2011年は、自社栽培の作付面積がおよそ2ha増えましたので、昨年程度の収量

 でも目標は達成できそうです。

  更には、第二農作業所の建設に向けた準備も一歩一歩進んでいますので、将来的に30

 haの営農規模実現に近づいています。

  米作りをしながら、酒造りを捉え直し、また、酒造りをしながら、米作りを考える。よい循環

 が出来上がりつつあります。この経験を積み重ねていけば、根知谷の気候風土を熟知した

 「米作り・酒造り」が完成します。

  気候は常に変動し、「勝利の方程式」なるものは出来ませんが、柔軟に対応する人間の

 力、組織の力は、鍛え上げることで、受け継ぐに値するものが出来上がると信じています。

  結局は、「継続事業」ばかりですが、その「とてもスローな」継続事業が、なかなか出来な

 い世の中なんですね。
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